オニグラ。

シャチョウデス。

 

オキニイリのオニグラ。

いつもの昔話。

 

 

新宿の高層ビルホテル。

そこのメインダイニングで。

アルバイトをしてた時のコト。

 

80年代前半の。

バブル真っ盛りのレストラン。

 

お値段も良かったけど。

働くスタッフの数もハンパなかった。

 

ホールスタッフも細かい階層。

 

トップはレストラン支配人。

で次が。

マネージャー。

と・・同格で。

シェフソムリエ。

 

ソン次が。

メートル・ド・テル。

まあ黒服の取りまとめ役かな。

 

で。

次が・・平?黒服。

で。

その下が。

モンキーコートのウェイター達。

 

さらにその下に。

白い制服のバスボーイ達。

 

お会計専門のスタッフがいて。

ご案内だけ仕事の女性達。

 

これだけの階層のヒト達で。

ヒトツのレストランを廻してた。

 

調理場の階層も複雑・・

だったネ。

 

 

実質トップは支配人だが。

シェフの権限も絶大だった。

 

シェフがノンッ!といえば・・

ダメ。

そんな雰囲気もあった。

 

 

長くなったが・・・

で。

私はというと。

 

最下層のバスボーイ。

 

お客と接するコトも無く。

ひたすら裏仕事と。

ランナーと呼ばれる・・

デシャップから料理を運んで・・

サイドテーブルに置いて。

下げモノをもって洗い場へ。

 

そんな内容。

 

機嫌の悪い黒服に。

蹴っ飛ばされながら・・

料理を運んでた。

 

 

だけど。

ホテルガッコの研修期間は。

モウヒトツ上のモンキー・・

だったので。

 

月末に行われてた・・・

来月のメニュー説明会にも。

出して貰えてた。

 

 

この会は。

来月の料理について。

一品ずつシェフが。

全ウエイターに説明をする会。

 

料理の由来。

素材・調理法・付け合わせ。

提供の仕方の指示。

 

みんな真剣に聞き入って・・

だって。

自分達がソレをお客に説明・・

するのだからネ。

 

とても為になった??

と・・思っている。

私もネ。

 

 

 

そんな中で。

スープのカテゴリで。

ビスクドオマールと。

ヴィシソワーズと。

オニオングラタンスープは。

必ず入っていて。

 

シェフは必ず・・・

ホントはオニグラなんか・・

入れたくない・・って。

毎回こぼす。

でも・・・

新宿だから仕方無いんだ・・って。

毎回同じコトを愚痴ってた。

 

 

いわゆる。

オニグラは。

ビストロ料理で。

街場のレストランの料理・・

ってモノだから。

 

グランメゾンとは言わんが。

高級店として・・

格を落とす料理・・と。

考えていた様子だった。

 

 

 

イヤイヤ・・シェフ。

 

そんなコト無いですよ。

 

来たお客サンはミンナ。

オニグラ美味しそうに食べてます。

 

何よりも。

オニグラは。

残食ありませんからッ!

 

バスボーイの私は・・

お客の皿を下げるので。

残食がヨク判りますから・・

 

胸を張って提供しましょう!!!

 

 

って。

言いたかったケド。

 

今ではパワハラの塊のような・・

上司絶対主義的職場で。

ヒエラルキーの最下層である・・

私がそんなコトを言ったら・・・

って時代だったので。

 

ココロの中でこっそりツブヤイタ。

 

 

 

 

 

まあそんなコトを。

このオニグラをタベルと。

いつも思い出す。

 

 

 

 

1960年代前半から80年代。

東京オリンピックをキッカケに。

都内のホテルが大きく成長した時代。

 

お金と手間とヒトを沢山かけて・・・

レストランが営業出来た時代。

 

面白い時代に。

面白い経験が出来たと。

 

やってた頃は大変だったけど。

 

今思えば。

自分の糧になったと・・・

 

アリガタイジダイデシタネ。